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10キロを走れた日。そして、スピードを求め始めた。


いつの頃からか、10キロを走れるようになっていた。

特別な日があったわけではない。気づいたら、そこまで来ていた。100メートルが「何十キロも先」に見えた頃の自分には、想像もできないことだった。

距離の次に、スピードを求めた

10キロを走れるようになると、今度は「もっと速く走れないか」と思い始めた。

同じ距離を、もう少し速いペースで。それが次の目標になった。

タイムを意識しながら走るようになった。1キロあたりの平均ペースを計測して、少しずつ縮めていく。距離を伸ばすときと同じように、少しずつ、焦らずに。

現在のペース

今の私のジョギングペースは、1時間で約10.8キロ。

調子の良い日は、11.5キロまで出ることがある。

17年前、歩くか競歩かというスピードで100メートルを走り切るのに必死だった自分が、今はこのペースで走っている。振り返ると、我ながら驚く。

スピードを意識し始めたきっかけ

10キロを走れるようになった頃、スマートウォッチを買った。

それまでは距離も時間もざっくり把握していた程度だった。腕に付けてみると、1キロごとのペースがリアルタイムでわかる。ペースが落ちたら通知が来る。自分の走りが「数字」になって見えてくる。

最初に見た1キロのペースは、8分台だった。「遅い」と思った。でも、そのデータがあったから「もう少し縮めたい」という気持ちが生まれた。

数字は正直だ。感覚でなんとなく走っていた頃より、ずっと丁寧に自分の体と向き合えるようになった。

ペースを縮める地道な作業

7分台 → 6分台 → 5分30秒台。

1キロのペースを縮めていく作業は、本当に地道だった。

今日は6分50秒だった。次は6分40秒を目指してみよう。そういう小さな目標の繰り返しだ。ある日突然速くなることはない。ただ、少しずつ。

面白いことに気づいた。距離を伸ばすときと、スピードを上げるときとでは、つらさの種類が違う。距離は「もう少しで終わる」という我慢だ。スピードは「もう少し踏み込んでいいかも」という挑戦だ。

スピードを意識し始めてから、走ることがまた少し楽しくなった。

走る時間帯と体のコンディション

スピードを意識するようになってから、走る時間帯も気にするようになった。

早朝は体が温まっていないため、最初の1キロは意識的にゆっくり入る。そこからペースを上げていく。逆に、食後すぐに走ると胃が重くてペースが出ない。

一番調子が出るのは、朝食の前、もしくは昼食から3時間以上経ってから走るときだ。空腹に近い状態のほうが、体が軽く感じる。

発酵食品との組み合わせも関係している気がする。前の晩にぬか漬けや味噌汁をしっかり食べた翌朝は、なんとなく腸の調子が良い。走っていても体が軽い。これは気のせいかもしれないが、続けているうちに「そういうパターンがある」と体が教えてくれるようになった。

56歳のペース、これでいい

今のペース、1時間で10.8キロを「遅い」と思う人もいるだろう。

でも私には、これが心地よいペースだ。無理なく続けられる速度で走る。それが56歳の私には一番合っている。

速さを競いたいわけではない。健康のために走っているのだから、無理をする必要はない。怪我をしたら元も子もない。走れなくなるほど追い込むより、明日も走れる体のほうが大切だ。

40代から始めて、ヘルニアも、肺結核も、足首の故障も経験した。そのたびに「走れること」のありがたさを知った。だから無理しない。

40代から始めて、遅くない

50代になった今も走り続けている。

ヘルニア、肺結核、足首の故障、禁煙。いくつもの壁があった。そのたびに止まり、また走り始めた。

「40代から始めたって、遅くない」と、発酵食品のことを書いたことがある。ジョギングも同じだ。

何歳から始めても、続けた分だけ体は応えてくれる。

100メートルから始めたあの日があったから、今日も走れている。

スピードが上がると、世界が変わる

少し速く走れるようになると、見える景色が変わる。

同じ道を走っていても、ペースが上がると風の感じが違う。体がリズムに乗っているときの感覚が、独特の気持ちよさを生む。

10キロを走り切ったとき感じた達成感と、スピードが上がったときに感じる達成感は、また違う。どちらも本物だ。

走ることには、まだまだ知らない楽しさが残っている。そう思うと、次の週末が楽しみになる。

10キロが「普通」になった日

10キロを走れるようになったのは、いつ頃だったか。

正確な日付は覚えていないが、「気づいたら走れていた」という感じだった。最初は「10キロなんて無理」と思っていた。でも5キロが普通になり、7キロが普通になり、気づいたら10キロも普通になっていた。

「普通」の感覚は更新される。以前の「すごいこと」が、続けるうちに「当たり前のこと」になる。10キロが当たり前になると、次は12キロが「もう少し先」に見えてくる。

走ることも、発酵食品を食べることも、続けることで「普通の水準」が上がっていく。その積み上げが、今の私を作っている。

ペースを計るようになってわかったこと

スマートウォッチでペースを計るようになってから、自分の走りのパターンがわかった。

序盤のペースは上がりやすい。体が元気で、気持ちも前のめりになっているから、つい速くなる。でも3〜4キロを過ぎると、ペースが落ちてくる。終盤はまた少し速くなる。「もうすぐ終わる」という気持ちがペースを上げてくれるからだ。

この「中盤の落ち込み」を抑えることが、全体のペースを上げるカギだとわかった。序盤を抑えて、一定のペースを保つ。それが実は速く走るためのコツだ。

「最初から全力で走って後半バテる」よりも、「一定のペースで走り続ける」方が、結果的に速い。これはジョギングだけでなく、発酵食品の食べ方にも似ている。毎日少量ずつ、一定に続けることが、長期的に見て一番効果的だ。

走ることと食べることの関係

スピードを意識し始めてから、食事のタイミングも変わった。

速く走るためには、体が軽い状態の方がいい。食後すぐの走りは体が重い。逆に、空腹すぎると力が出ない。

今は、朝食なしで走ることが多い。空腹状態で走ると、体が脂肪をエネルギーとして使いやすいとも聞く。実際、朝食前の走りは体が動きやすい感覚がある。

走り終えた後の食事は、それが昼食であれ何であれ、格別においしい。発酵食品を食べると、走った体に染み渡る感覚がある。疲れた腸に、乳酸菌や麹菌が届く感覚とでも言えばいいのか。その一杯の味噌汁が、今日の走りへのご褒美になっている。

スピードを上げた先にあるもの

今のペース、時速10.8km。これを12kmまで上げたいという気持ちがある。

でも焦らない。スピードを上げるにも、時間が必要だ。インターバル走を続けて、徐々に底上げをしていく。1ヶ月で0.2km/h上がれば十分だ。

ゆっくりやっても、続けていれば必ず変わる。体重が8年かけて10kg落ちたのと同じように、ペースも少しずつ上がっていく。急がない。焦らない。それが私のやり方だ。

17年間の走りを振り返って

17年前に100メートルから始めた。

あの頃は、歩くような速さで100メートルを走るのに必死だった。息が上がって、足が痛くて、「自分には向いていない」と思ったことが何度もあった。

でも今、時速10.8kmで10キロ以上走れる。100メートルから始めたあの日が、今日につながっている。

続けることさえできれば、人は変われる。17年間がその証拠だ。


「走ること」と「発酵食品」。どちらも私に教えてくれたのは、同じことだった。急がず、焦らず、続けること。それだけで、人は変われる。

※ この記事は個人の体験と公開情報に基づくものです。特定の疾患の診断・治療・予防を目的としたものではありません。健康上の不安がある方は、医師・管理栄養士などの専門家にご相談ください。詳しくは免責事項をご覧ください。