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山陽の旅、最終日。広島から、日常へ帰る。
とうとう、最終日になった。
朝、いつものように起きて、浜田の実家を出る。電車とバスを乗り継いで、広島駅に着いた。今日は、埼玉へ帰る日だ。一週間の旅も、これでおしまい。少し名残惜しい気持ちで、駅の人混みを眺めていた。
広島の食を、もう一度思う
広島駅に着くと、この街で食べたもののことが、自然と頭に浮かんできた。
やっぱり、広島は食が豊かだ。
牡蠣の美味しいお店、お好み焼きの美味しいお店。旅の初日に寄ったあの店に、帰る前にもう一度、足を運んだ。
広島駅からトラムに乗って、八丁堀という駅で降りる。四つほど先の駅で、直通だから分かりやすい。そこから歩いて五分か十分。パルコのちょうど裏手に、あの牡蠣の美味しいお店がある。
そして、その同じ建物の二階、三階、四階に、お好み焼きのお店がずらりと並んでいる。
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初日にいただいた牡蠣の味が忘れられず、もう一度この街の味を噛みしめたくなったのだ。最後にもう一度来てよかった。どこも、コスパがいい。駅の中で食べるのも手軽でいいけれど、ほんの少し足を伸ばして、八丁堀あたりまで行くのがおすすめだ。地元の活気のなかで食べるお好み焼きは、また格別だから。
旅の食は、その土地の文化そのものだ。お好み焼きの深い味も、あのソースの発酵の旨みがあってこそ。そういえばこの一週間、行く先々で発酵に出会った。島根の地酒、温泉宿の味噌や漬物。日本の食卓は、やっぱり発酵に支えられているのだと、あらためて思う。
広島駅で、お土産を選ぶ
お腹を満たしたあとは、広島駅でお土産選びだ。

駅の構内には、お土産屋さんがずらりと並んでいる。もみじ饅頭に、カスタード入りのもみじ。広島らしいお菓子が、所狭しと並んでいる。職場の皆さんや、家で待つ家族の顔を思い浮かべながら、あれこれと選ぶ。この時間も、旅の締めくくりとして、なかなか楽しいものだ。
両手に荷物が増えたけれど、心も少し満ちた気がした。
のぞみに乗って、東京へ
13時18分の、のぞみに乗った。
席に着いて、ひと息つく。窓の外を、景色が流れていく。行きと同じ道のはずなのに、帰りはまるで違って見える。一週間ぶんの思い出が、車窓に重なっていくからだろうか。
広島の牡蠣。浜田の海。石見畳ヶ浦の不思議な岩。日御碕灯台に沈む夕日。出雲大社の大しめ縄。境港の朝市場。そして、浜田のからくり時計。
ずいぶん、いろいろなものを見て、味わってきた。
新幹線は、夕方の5時ちょっと過ぎに東京へ着く予定だ。コーヒーでも飲みながら、ゆっくりと、この一週間を反芻していく。こういう帰りの時間も、旅の大切な一部だと思う。
旅が終わり、また日常へ
正直に言うと、少しだけ気が重い。
明日、明後日からは、また仕事が始まる。あの慌ただしい日常に戻るのかと思うと、ふっとため息が出そうになる。きっと、みんな同じように感じているのだろう。長い休みのあとは、誰だって、もとの生活に戻るのがちょっと億劫になるものだ。
だからこそ、思う。
バケーション明けは、いきなり全力で走り出さずに、少しずつ、ゆっくりと日常に戻っていく。そんな仕組みを、自分なりに作れたらいいな、と。体も心も、急にギアを上げると、どこかに無理が出る。発酵も、ゆっくり時間をかけるからこそ、いい味になる。人の暮らしも、きっと同じだ。
旅は、非日常だ。
でも、その非日常で出会ったものが、また日常を豊かにしてくれる。山陽でいただいた海の幸、温泉のぬくもり、神楽の響き。それらは、これからの毎日の、ささやかな支えになっていくはずだ。
一週間、本当にいい旅だった。
たくさん歩いて、たくさん食べて、たくさんの景色に出会った。胃腸の調子もすこぶるいい。きっと、その土地その土地の発酵の恵みが、体を整えてくれたのだろう。
さあ、家に帰ろう。
そして明日からは、また少しずつ、いつもの暮らしへ。旅で満たされたこの気持ちを忘れずに、ゆっくりと歩いていこうと思う。
山陽の旅、これにて終わり。読んでくださって、ありがとうございました。
旅は、終わってからもうしばらく、心の中で続いている。
※ この記事は個人の体験と公開情報に基づくものです。特定の疾患の診断・治療・予防を目的としたものではありません。健康上の不安がある方は、医師・管理栄養士などの専門家にご相談ください。詳しくは免責事項をご覧ください。