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山陽の旅、四日目。境港の朝市場と、浜田のからくり時計。


前の夜は、皆生(かいき)のシーサイドホテルに泊まった。

海辺の宿で、ゆっくりと体を休めた。出雲をあとにして、米子のあたりまで移動してきた、その晩のことだ。長い一日の疲れが、波の音とともにほどけていった。

皆生の海辺。松林の向こうに、おだやかな海が広がる。

そして、旅は四日目の朝を迎えた。

境港の、朝の市場へ

ホテルを出て、まず向かったのは境港(さかいみなと)だ。

境港の漁港に停まる、大きな漁船。

朝の魚市場を見学する。ちょうど、漁から戻った船が、魚を水揚げしているところだった。漁船が、とにかく大きい。市場には、大量の魚が次々と運び込まれていく。その音と活気に、こちらまで気持ちが高ぶってくる。

セリの様子。赤い帽子の人たちが、水揚げされた魚を囲む。

セリ(競り)も行われていた。

赤い帽子をかぶった人たちが、忙しそうに動いている。蟹の専門店が立ち並び、かまぼこ屋さんもある。トンビが空をぐるぐると舞っている。それでいて、港全体がとても清潔で、衛生的に保たれているのがわかる。きれいな港だ。見ているだけで、飽きない。

「境港」の看板。魚の絵が描かれている。

港には、大きなクルーズ船も停泊していた。こんな立派な客船が寄るのかと、その大きさに驚いた。

境港に寄港した、大型クルーズ船。

岩牡蠣と、紅ズワイガニ

市場の一角に、食べさせてくれるお店があった。

市場に並ぶ、真っ赤な紅ズワイガニ。

ここで、ちょっと休憩。今回いただいたのは、岩牡蠣(いわがき)、それもブランドものの岩牡蠣。そして紅ズワイガニ(べにずわいがに)に、白イカ。お酒は飲めないので、ノンアルコールビールで。それでも、十分に堪能した。

新鮮なマグロの柵。つやつやと光っている。

岩牡蠣は、ねっとりと濃厚で、海のミルクそのものだ。紅ズワイガニは、甘くて、身がほろりとほどける。白イカは、こりっとした歯ごたえと、上品な甘み。どれも、朝獲れの新鮮そのもの。これ以上の贅沢があるだろうか。

食べていると、香港から来たという旅行者と出会った。

言葉は多くは通じないけれど、おいしいものを前にすると、不思議と気持ちが通じる。「日本は(やっぱり)高いねえ」なんて言いながら、お互いに笑い合った。旅先での、こういうちょっとした出会いが、いい思い出になる。

日本の海の幸を、海外から来た人と一緒に味わう。境港の朝の市場は、そんな温かい時間をくれた。

浜田へ戻る

お腹も満たされて、車に乗り込んだ。

ここからは、ずっと西へ。島根の浜田まで、車を走らせる。今回の旅でお世話になったレンタカーも、浜田で返却した。新しいアクアで、ずいぶん遠くまで走ったものだ。乗り心地もよく、いい相棒だった。

浜田に戻ると、少し時間に余裕があった。島根の家族のところにも、短い時間だけれど顔を出すことができた。元気な顔を見られて、ほっとした。

浜田駅前の、からくり時計と神楽

夕方、浜田駅の北口広場へ向かった。

ここには、からくり時計がある。ちょうど17時。時間になると、広場の真ん中で、人形が動き出す催しが始まった。

流れてきたのは、岩見神楽(いわみかぐら)の音楽だ。

太鼓と笛の音に合わせて、人形たちが舞う。出雲の宿で見た、あの勇壮な神楽が、こうして駅前のからくりにもなっている。石見の人たちが、いかに神楽を大切にしているかが伝わってくる。地域の誇りが、こんなところにも息づいているのだ。

17時5分。からくり時計は、ちょうど終わったところだった。短い時間だったけれど、最後にいいものを見られた。

旅の終わりが、近づいてくる

それから、浜田の実家へ向かった。

夜は、焼肉屋へ。

実は、去年この店に来ようとしたときは、あいにくお休みだった。それが心残りだったのだが、今年はちゃんと入ることができた。

焼肉。霜降りの肉が、美しく皿に並ぶ。

霜降りの肉が、皿の上で美しく光っている。網にのせると、じゅうっといい音がして、香ばしい煙が立ちのぼる。一年越しの焼肉は、格別の味だった。賑やかな、いい夜だった。

朝は境港で海の幸を味わい、昼は西へ西へと車を走らせ、夕方は浜田でからくり時計を眺めた。盛りだくさんの四日目。旅も、いよいよ終わりが近づいてきた。

明日は、いよいよ帰る日だ。

最後の夜を、ゆっくりと噛みしめた。


知らない土地で、知らない人と、同じものを食べて笑う。旅の醍醐味は、案外そんなところにある。

※ この記事は個人の体験と公開情報に基づくものです。特定の疾患の診断・治療・予防を目的としたものではありません。健康上の不安がある方は、医師・管理栄養士などの専門家にご相談ください。詳しくは免責事項をご覧ください。