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会社の仲間と中華で飲んで、翌日11km走った。
月に一度の恒例会があった。
会社の仲間たちが集まる、月1回の定期ミーティングだ。 夕方から近くの中華料理店へ向かう。 2時間、飲み放題6,000円のコース。
こういう時間は、仕事の延長のようでいて、どこか少し違う。 肩書きはそのままでも、会話の温度が変わる。
それぞれの1ヶ月を持ち寄る夜
集まれば、この1ヶ月の出来事をそれぞれが話す。 現場の状況、うまくいったこと、困ったこと。
何かを決める場ではない。 報告でもない。
ただ、話して、聞く。
同じ立場の人間が集まるからこそ、言葉にしやすいこともある。 愚痴も、少し笑いに変わる。
この日の一番の話題は、人事異動だった。
サラリーマンである以上、避けては通れないテーマ。 誰がどこへ、誰がどうなるのか。
冗談を交えながら、あれこれ言い合う。 正解のない話ほど、なぜか尽きない。
紹興酒を、ちゃんと飲んだ
私は普段、ビールかワインを選ぶことが多い。 けれどこの日は、中華料理店ということもあり、紹興酒を頼んだ。
グラスに注がれた液体は、ほんのり琥珀色。 ひと口飲むと、思った以上に深い味が広がった。
甘み、コク、そしてわずかな渋み。 単純ではない、重なり合った味。
ビールの軽やかさとも、ワインの酸味とも違う。 時間の経過が、そのまま味になっているような感覚だった。
紹興酒――時間を飲むという感覚
紹興酒は、中国・浙江省紹興発祥の伝統的な醸造酒だ。
もち米を麹や微生物で糖化・発酵させ、甕や瓶の中でゆっくりと熟成させていく。
味噌や日本酒と同じように、人の手と微生物と時間が重なってできる酒である。
その歴史は非常に長く、稲作文化とともに育まれてきた。
熟成が進むほど、色は濃くなり、香りと味は複雑さを増していく。
蜜のような甘み、ナッツやドライフルーツを思わせる香り。 アミノ酸由来の旨味が、静かに広がる。
それは単なる酒ではなく、時間そのものを味わっているようでもあった。
種類と楽しみ方
紹興酒には、熟成の違いによる個性がある。
若いものは軽やかで飲みやすい。 中期熟成はバランスがよく、日常に取り入れやすい。 そして長期熟成の老酒は、深く、重く、印象に残る。
この夜に飲んだのは、おそらく中期熟成。 それでも十分に奥行きを感じた。
温度によっても表情が変わる。 冷やしてもいいが、常温やぬる燗にすると香りが立つ。
料理との相性もいい。 煮込みや角煮、照り焼き。 家庭料理に少し加えるだけで、味に奥行きが出る。
発酵食品として見ても、どこか親しみがある。 日本の食文化と、静かにつながっている感覚があった。

翌日、走った
飲んだ翌日の朝、いつも通り走りに出た。
距離11.54km、タイム1時間00分08秒。 平均スピード11.51km/h、消費カロリー803kcal。
前夜に紹興酒を飲んでいたが、体はしっかり動いた。
脚は軽い。 呼吸も安定している。 ペースも崩れない。
二日酔いの気配はなく、むしろ身体はすこぶる快適だった。
体の感覚は、正直だ
発酵食品は腸にいいと言われる。 紹興酒もまた、発酵から生まれる酒だ。
それが翌日のコンディションに影響したのかどうかは、正直わからない。
ただひとつ言えるのは、体は嘘をつかないということだ。
重い日は、本当に重い。 走り出した瞬間にわかる。
でもこの日は違った。 足取りは自然で、リズムもいい。
頭の中も静かで、ただ前に進んでいく感覚があった。
なんとなく、整っているという感覚
最近思うのは、「整っている」という状態は、数値ではなく感覚でしかわからないということだ。
疲労度や睡眠時間では測れない、もう少し曖昧で、でも確かなもの。
食べたもの、飲んだもの、過ごし方。 それらが積み重なって、翌日の自分をつくる。
発酵食品も、その一部なのかもしれない。
腸内環境だとか免疫だとか、そういった言葉で説明することもできる。
けれど実際には、もっと静かで、もっと個人的な感覚の中にあるものだと思う。

それで、十分だ
理由ははっきりしない。 発酵の力なのか、ただの偶然なのか。
でも、ひとつだけ確かなことがある。
気持ちよく走れた。
それで、十分だ。
飲んだ翌日も走れる体でいたい。それが、今の目標のひとつだ。
紹興酒と発酵食品の共通点
帰り道、ふと思った。
紹興酒も、味噌も、ぬか漬けも、根っこは同じだ。微生物が時間をかけて素材を変えていく。発酵という共通のプロセスを経て、それぞれの味と栄養が生まれる。
日本酒が米と麹菌と酵母から生まれるように、紹興酒はもち米と微生物から生まれる。同じ東アジアの農耕文化が育てた発酵の知恵が、海を越えて別々の形になった。
味噌汁を毎朝飲みながら、同じ発酵の仲間である紹興酒を中華料理で飲む。思えば、その晩の食卓は発酵食品ばかりだった。豆腐、醤油ベースのタレ、発酵調味料を使った料理、そして紹興酒。普段から発酵を意識して食べているつもりだったが、外食でも気づけば発酵を選んでいた。体が求めているのかもしれない。
仲間と飲む場の意味
発酵食品が腸に良い、というのは科学的な話だ。
でも、仲間と飲む場が体に良い、というのはもう少し別の話だと思う。笑って、話して、適度に飲む。ストレスが発散されて、気持ちが緩む。それも体のコンディションに影響する要素だ。
医学的に証明できることではないかもしれない。でも体は正直で、楽しい夜を過ごした翌日は、不思議と足取りが軽い。ただ睡眠が足りているだけではない、何か別の要素が体を整えている感覚がある。
月1回のこの集まりは、発酵食品でも運動でもない健康の要素として、私の体に貢献しているのかもしれない。
翌日のランは、何かの答えだった
11.54km、1時間00分08秒。
数字を見ると、悪くない。むしろ調子が良い部類だ。前夜に飲んでいたとは思えないペースで走れた。
体が整っているときは、走り始めてすぐわかる。最初の数百メートルで、今日がいい日かどうか判断できる。この日は最初から「行ける」と思えた。
何が良かったのかはわからない。発酵食品のおかげかもしれないし、十分な睡眠かもしれないし、仲間と笑った夜のおかげかもしれない。おそらくその全部が、少しずつ影響している。
体づくりは、ひとつの要素で完結するものではない。食事、睡眠、運動、人との時間。そういうものが重なり合って、翌日の自分をつくっている。
紹興酒を飲んだ翌日に11km走れた。それは、今の自分の体の状態を確認できた1日でもあった。
56歳の体に、驚いている
正直に言う。50代になって、自分の体に驚くことが増えた。
若い頃は「50代になったら体が衰える」と思っていた。周りを見ながら、なんとなくそういうイメージを持っていた。でも実際に50代を生きてみると、全然そんなことはない。日々の積み重ねで、体は応えてくれる。
発酵食品を意識して食べるようになったのが、ちょうど1年ほど前だ。走り始めたのはもう少し前になる。どちらも劇的な変化を期待したわけではない。ただ続けた。毎日少しずつ、習慣として積み重ねた。
その結果として今、前夜に飲んで翌日11km走れる体がある。健康診断の数値も改善している。疲れが翌日に残ることが減った。
何かひとつが変えたわけではない。食事、運動、睡眠、仲間との時間。それらが絡み合って、今の自分がある。56歳になって、体に感謝することが増えた。これからも大切にしていきたい。
※ この記事は個人の体験と公開情報に基づくものです。特定の疾患の診断・治療・予防を目的としたものではありません。健康上の不安がある方は、医師・管理栄養士などの専門家にご相談ください。詳しくは免責事項をご覧ください。