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何度も失敗した醤油麹が、今回はうまくいった。そして、煮干しラーメンの話。
ここのところ、ありがたいことに忙しい日が続いていた。
なかなかブログにじっくり向き合う時間がとれず、更新の間が空いてしまった。今日は久しぶりに腰を落ち着けて、ゆっくり書こうと思う。
台風一過の、どんよりした朝
六月二十六日に、一つ目の台風が来た。そして翌二十七日、二つ目の台風が続けてやってきた。関東は、二日続けて台風に見舞われたのだ。
二十七日の深夜、仕事帰りに夜空を見上げると、星がきれいに見えていた。台風が空気を洗い流したのか、すっきりと澄んだ夜空だった。
ところが、明けて今日、六月二十八日。朝から空はどんよりと曇って、雲が重く垂れこめている。外を見ると、いまにも泣き出しそうな空模様だ。風も、なんだか生ぬるい。
室内の温度は24度。湿度は、なんと80パーセントもある。
普段、私はエアコンをつける派だ。でも、今はつけていない。窓を全開にして、風通しのいい場所で過ごしている。たしかに蒸し暑いけれど、自然の風に身を任せていると、これはこれで悪くない。汗をかきながら、体が季節と一緒に動いている感じがする。
そんな、しっとりと蒸した日。今日は、ずっと気になっていた「あるもの」の仕上がりを、確かめる日だ。
石川から届いた、醤油と納豆と玄米麹
話は、十日前の六月十八日にさかのぼる。
その日の午後三時ごろ、お付き合いのある石川県の方から、いいものが届いた。醤油、納豆、そして玄米麹。どれも、発酵食品が好きな私には、たまらない品ばかりだ。

そして、届いてすぐ。午後四時には、私は醤油麹を仕込みはじめ、その日のうちに仕込みを終えた。

作り方は、いたってシンプルだ。麹に醤油を注いで、常温に置いておく。四日か五日もすれば、麹がほどけて、とろりとした醤油麹が完成する——と、教わっていた。ご飯にのせても、お刺身につけても、野菜を和えても美味しい、万能の発酵調味料だ。
仕込みながら、今回こそは、とわくわくしていた。
何度も、失敗してきた
正直に打ち明けると、私はこの醤油麹を、これまで何度も失敗してきた。
教わった通りにやっているつもりなのに、どういうわけか、うまく発酵してくれないのだ。麹の粒が、いつまでも硬いまま残っている。四日、五日と待っても、とろりとほどける気配がない。
おかしいな、と思いながら、そのまま常温で置いておく。
それでも、発酵が進まない。とうとう二週間ほど経ってしまって、これはもうダメかと、冷蔵庫に入れた。けれど、冷やしたところで発酵が進むはずもない。結局、麹の粒が残ったままの、中途半端なものができあがってしまう。これを、何度か繰り返してきた。
発酵というのは、本当に正直で、そして気むずかしいものだ。こちらの思い通りには、なかなかなってくれない。
今回は、なぜかうまくいった
ところが、である。
六月十八日に新しく仕込んだものを、今日、六月二十八日に見てみた。ずっと常温で置いていたものだ。
すると、どうだろう。
もう、すっかり美味しくでき上がっているではないか。麹はやわらかくほどけて、とろりとして、いい香りがする。あれほど失敗していたのに、今回は、ちゃんと発酵してくれた。

正直なところ、なぜ今回うまくいったのか、はっきりとした理由はわからない。
麹が新しかったからかもしれない。気温や湿度が、ちょうどよかったのかもしれない。台風で蒸し暑い、この発酵には向いた陽気が、味方してくれたのだろうか。理由はわからないけれど、うまくいったという事実が、ただただ嬉しい。
失敗も、成功も、ぜんぶ含めて、これも一つの経験だ。発酵と付き合うというのは、こういうことなのだろう。うまくいかない日を重ねて、ある日ふと、うまくいく。その積み重ねが、楽しい。
煮干しラーメンの名店で
話は変わって、同じ六月十八日のこと。
実はこの日、麹が届くより前、お昼に近所でラーメンを食べていた。
近所に、とても評価の高いラーメン屋さんがある。グーグルマップでも4.2という高得点。醤油系の、煮干しラーメンの専門店だ。せっかくなので、その日のお昼、立ち寄ってみた。
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これが、一つひとつにこだわりの効いた、見事な一杯だった。
まず、煮卵。これがとにかく柔らかい。箸で割ると、中の黄身がとろりと流れ出す。半熟の、いちばんいいところを狙った絶妙な仕上がりだ。
そして、チャーシュー。これは自家製で、じっくり炊いたものだという。燻製の香りがふわりと立ちのぼり、豚肉は柔らかく煮込まれている。口の中でほろりとほどけて、たまらない。
薬味の玉ねぎも、ワンアクセントになっていて、最後まで飽きずに楽しめた。スープは、煮干しの効いた醤油味。背脂もたっぷりで、こってりと濃厚だ。
麺は、大盛りにした。
百五十円プラスの、麺大盛り。それだけでも十分な量なのに、私はさらに半ライスまで頼んで、ぺろりと食べてしまった。我ながら、よく食べたものだ。
この歳で、こってりを完食できる幸せ
五十七歳。
この歳になっても、こんなにこってりした煮干しラーメンを、背脂たっぷりで、チャーシューを何枚も、麺は大盛り、おまけにライスまで。それを、ぺろりと完食できてしまう。
これはきっと、腸が元気な証拠だと思っている。
私は普段から、発酵食品を欠かさず食べて、よく歩くことを心がけている。味噌、納豆、漬物、そして今日仕込んだ醤油麹。こうした発酵の力が、腸を整えてくれているのだろう。だからこそ、たまにこってりしたものを食べても、胃腸がびくともしない。
体が元気だと、心まで豊かになる。
蒸し暑い台風一過の日に、醤油麹はちゃんと発酵し、そして数日前には美味しいラーメンを心ゆくまで味わった。なんでもない日のようでいて、こういう一日こそが、いちばん幸せなのかもしれない。
発酵は、ゆっくりと、でも確実に、いい味を育てていく。
私の腸も、きっと同じように、毎日少しずつ育っているのだと思う。
うまくいかない日を重ねて、ある日ふと、うまくいく。発酵も、人生も、たぶん同じだ。
※ この記事は個人の体験と公開情報に基づくものです。特定の疾患の診断・治療・予防を目的としたものではありません。健康上の不安がある方は、医師・管理栄養士などの専門家にご相談ください。詳しくは免責事項をご覧ください。