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山陽の旅、一日目。広島の牡蠣と、雨に煙る山の霧。
朝5時。カーテンを開けると、小雨が降っていた。
梅雨らしい、しっとりとした空気。気温は20度を切るくらいで、少し肌寒い。今日からいよいよ、山陽の旅が始まる。
東京駅から、新幹線で西へ
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5時56分のバスに乗って、まず駅へ向かった。
そこから歩いて、東京駅へ。私には昔からの決まりごとがある。新幹線に乗る前に、東京駅で朝ごはんとお土産を買うのだ。今日の朝食はパンにした。新幹線の中で、コーヒーを飲みながら、ゆっくりパンをかじる。これが旅の始まりの、いちばん好きな時間かもしれない。
8時発の新幹線に乗り込む。
時間が経つにつれて、駅にはどんどん人が増えていった。スーツケースを抱えたビジネスマン、大きな荷物を持った外国からの旅行者。みんな、それぞれの目的地へ向かっていく。その流れの中に、自分も混ざっている。それだけで、なんだか気持ちが高ぶってくる。
窓の外を、景色が流れていく。コーヒーの湯気と、パンの香り。今日の行き先は、広島だ。
広島の街に降り立つ

広島駅に着いた。気温は22度。
新幹線の構内は、たくさんの人でにぎわっていた。やはり外国からのお客さんが多い。大きなスーツケースを引いた欧米の方、アジアからの旅行者。広島という街が、世界中から人を集めているのがよくわかる。賑やかで、活気のある街だ。
ここから、広島電鉄のトラム(路面電車)に乗る。

目指すのは八丁堀。広島駅から10分から15分ほどで着いた。思っていたより、ずっと近い。これは便利だ。今後また広島に来ることがあれば、ぜひ使いたい。そう思って、心の中にメモをしておいた。
トラムを降りると、街はやはり蒸し暑かった。梅雨の湿気が、肌にまとわりつく。それでも、知らない街を歩くのは楽しい。
八丁堀の牡蠣

お昼は、牡蠣にした。
広島といえば、やっぱり牡蠣だ。八丁堀の牡蠣料理のお店に入って、広島牡蠣をいただいた。
ひと口食べて、思わず声が出た。
クリーミーだ。ねっとりと濃厚で、口の中に旨みがふわっと広がる。海のミルクという言葉が、まさにぴったりだ。臭みはまったくなく、ただただ美味しい。これに、白ワインを合わせた。冷えた白ワインと牡蠣の相性は、言うまでもない。最高だった。
牡蠣も、ワインも、発酵の力が支えている。ワインはぶどうを発酵させたお酒だし、牡蠣そのものにも、海の恵みが凝縮されている。旅先で、その土地の海の幸を、その土地のお酒で味わう。これ以上の贅沢はない。
隣で連れも笑っている。いい昼ごはんだった。
バスで島根へ。寒曳山の霧
牡蠣を堪能したあと、広島駅に戻った。
ここからは、14時のバスで島根県の浜田へ向かう。2時間ほどの道のりだ。途中のトイレ休憩は1回しかないので、ワインを飲みすぎなくてよかったと、少しだけ思った。昔、こういう移動の途中でトイレに行きたくなって、ひやひやした経験があるのだ。歳を重ねると、こういうことにも慎重になる。
バスは山の中へと入っていく。
途中、寒曳山(さびきやま)のパーキングエリアで休憩になった。10分ほどの停車だ。

外に出ると、雨が降っていた。そして、山の頂上に、霧がかかっていた。
これには、息をのんだ。
山の上に白い霧がたなびいている様子を、こんなにはっきり見るのは初めてかもしれない。雨に濡れた緑と、ゆっくり流れる霧。空気が、驚くほど澄んでいる。深く息を吸い込むと、肺の奥まできれいになるようだった。とても、とても綺麗だった。
半袖でいたので、少し肌寒い。でも、この景色を見られただけで、ここで降りた甲斐があった。
浜田に着いた
バスは、無事に浜田へ到着した。

着くころには、雨が少し強くなっていた。梅雨の旅は、こういうものだ。雨もまた、旅の一部。濡れた道や、雨に煙る景色には、晴れの日とは違う美しさがある。
朝5時に起きて、東京から広島、そして島根へ。盛りだくさんの一日だった。新幹線、トラム、バスと、いろいろな乗り物を乗り継いだ。牡蠣を食べ、霧を見て、雨に降られた。体は少し疲れているけれど、心は満たされている。
明日は、島根をゆっくり歩いてみたい。どんな景色と、どんな味に出会えるだろうか。
山陽の旅、一日目。まずは上々の滑り出しだ。
霧に包まれた山を見たとき、ここまで来てよかったと、心から思った。
※ この記事は個人の体験と公開情報に基づくものです。特定の疾患の診断・治療・予防を目的としたものではありません。健康上の不安がある方は、医師・管理栄養士などの専門家にご相談ください。詳しくは免責事項をご覧ください。