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バンコクへ。アマタを出て、ホタルホテルに着いた日。
朝8時半。アマタ・チョンブリを出発した。
GMとTさんと3人で、1時間ほど朝食を共にした。バイキング形式のいつもの食堂。昨日までと変わらない景色だが、今日はスーツケースがある。荷物をまとめて駐車場へ向かう。今日でこの場所を離れる。アマタでの3日間を振り返りながら、車に乗り込んだ。
バンコクへ。1時間の道のり

出発から約1時間。9時半から10時ごろ、バンコクに入った。
景色が変わる。
アマタは工業地帯だ。広い道路、工場、空き地。人の密度が低く、車の流れも比較的ゆっくりしている。それがバンコクに入った途端、何もかもが変わった。ビルが建ち並ぶ。車の量が増える。バイクが隙間を縫うように走る。信号が増え、渋滞が始まる。大都市の空気が、車の中まで伝わってくる。
東京にいるような感覚に近い。いや、密度はこちらのほうが上かもしれない。
沿道にはインターナショナルブランドのホテルが続く。有名なホテルの名前が、次々と視界に入ってくる。バンコクという街が、いかに世界から人を集めているかがわかる。アマタとは、まったく別の世界だ。
アゲハホテルでのランチ
まず向かったのは、アゲハホテルだ。
ここでHさんとN氏と合流し、ランチをご一緒した。Hさんは今回の訪問にあたり、事前に連絡をいただいていた方だ。N氏はアゲハホテルの担当者で、このバンコク訪問を受け入れてくださった方でもある。
テーブルに運ばれてきたのは、和牛を使ったひと皿。チェーン(スカート)の部位を薄く浅く焼いたもの。お刺身の盛り合わせ。お新香。銀だらの西京漬け。天ぷら。どれも丁寧な仕事が感じられた。食材の選び方、火の入れ方、盛り付けのバランス。タイにいながら、日本のリズムで食事ができる時間だった。
話も弾んだ。移動の疲れが、少し解れるような食卓だった。
ホタルホテルへ

ランチを終え、タクシーでホタルホテルへ向かった。
バンコク市内の移動は、予想以上に時間がかかる。信号、渋滞、車線変更。ドライバーは慣れたもので、淡々と走っていく。窓の外に広がるバンコクの街を眺めながら、しばらくして到着した。
ロビーに入る。
広い。静かだ。天井が高く、落ち着いた照明が空間を包んでいる。桜をモチーフにした飾りがあちこちに配されていて、和の雰囲気が漂う。「日本らしい」という言葉がそのまま当てはまる空間だった。プールサイドも案内していただいた。南国の空気の中に、整備された施設がある。気温も高く、プールが映える環境だ。
館内を一通り案内していただいた後、鉄板焼レストランへ向かった。
鉄板焼レストランという場所

「鉄板焼レストラン」は、ホタルホテルの鉄板焼レストランだ。
入ってまず目に入るのが、肉の見せる冷蔵庫だ。ショーケースのように食材が並べられている。それだけで、料理への期待感が高まる。鉄板はガスではなく、電気。幅は約1〜2メートル、奥行き1メートルほど。鉄板の下には皿置きのスペースがある。横には引き出し式の冷蔵庫と、扉式の冷蔵庫。さらに網焼きもできるグリル台があり、日本でいう焼き鳥を焼くような料理にも対応できる。
設備はしっかりと整っている。あとはここに「人」と「技術」が加わればよい。そのためにここへ来た。
名刺をスーツケースに入れたまま来てしまい、ご挨拶が十分にできなかったのが少し悔やまれた。お土産だけは渡すことができた。次回、きちんとご挨拶できればと思っている。
アマタを離れて思うこと
アマタを出て、少し時間が経つと、冷静に振り返れるようになる。
アマタでの3日間。一番強く感じたのは、「この街はこれからだ」ということだった。
アマタ・チョンブリは工業地帯として発展してきた土地だ。人口は増えている。工場で働く人たちが、近くで食事をし、余暇を楽しむ。そのニーズは確実にある。近くにある「グリーンクロス」というタイ料理レストランが、夜になると満席に近い状態だった。価格帯はほぼ同じか、少し上。それでも客が入っている。ということは、需要はある。
鉄板焼レストランとして、あるいはバーやカウンター席を備えた空間として、可能性は十分にある。鉄板焼がその引き金になれるかもしれない。
課題もある。メニューの整理、価格の見直し、英語での案内、営業戦略。細かい部分はまだ積み上げが必要だ。施設そのものは素晴らしい。南国ならではの広い敷地、整った設備。ただ、高級感というよりは、一般的な市営ホテルに近い印象だった。かといって民宿レベルでもない。その中間に位置する、落ち着いた施設だ。
土台はある。あとはどう育てるか。それが問われる場所だと思った。
アマタ最後の夜のこと
出発の朝、GMとTさんと朝食を共にしながら、前の夜のことを話した。
5月20日の夜。オーナーが来て、私が鉄板の前に立った。その日はサーロインからテンダーロイン(ヒレ肉)に変更して勝負した。オーナーは非常に満足してくださったとのことだった。GMのミッションとして、これはクリアできた。そう、自分なりに思っている。
スタッフとの懇親会も、よい時間だった。甘く、辛く、唐辛子系のスパイスがきいたタイ料理が次々と運ばれてくる。辛さにも幅がある。とんでもなく辛いものもあれば、まろやかなものもある。春雨、ペッパー系の食材、エビ、豚、鶏。全部食べた。白いご飯とおかず、そしてビールやアルコール。みんなで一緒に、大量に頼んで、残ったものは持ち帰る。それがここの食卓のスタイルらしい。
これといってひとつ「これだ」という料理は見つからなかった。でも、「一緒に食べた」という時間のほうが記憶に残っている。食事は料理だけではない。誰と、どんな場で食べたか。それがすべてだと、改めて思った。
アマタ・チョンブリでの3日間が、ここで終わった。
場所が変わっても、鉄板の前では伝わるものがある。
※ この記事は個人の体験と公開情報に基づくものです。特定の疾患の診断・治療・予防を目的としたものではありません。健康上の不安がある方は、医師・管理栄養士などの専門家にご相談ください。詳しくは免責事項をご覧ください。